不要なモノは愛
本気で探すモノ
「お疲れさまー」


金曜日の夜、園子さんの小料理屋で、秋絵と中ジョッキを合わせた。

今週は仕事が忙しくて、残業続きだった。週末の今日、ようやく一段落して、定時に帰ることが出来た。これで、今夜は気兼ねなく、飲むことが出来る。

気持ちよく酔いたい気分。


「あー、胃にしみるー」


「ほんと、ほんと!仕事のあとのビールはうまい!」


秋絵も同じように忙しい1週間だったようて、ストレスが溜まっていたらしく、豪快な飲みっぷりを見せる。明日は休みだから、秋絵はうちに泊まる予定にしている。

楽しい夜になりそうで、心が弾む。


「春海くーん、おかわりちょうだーい」


「はい、了解です」


テンションの高い秋絵に春海くんは、冷静に返す。果たして、秋絵は今夜も何か作戦を考えているのだろうか?

満面な笑顔を春海くんに向けているが、今日の春海くんはいつもよりも素っ気ない。避けているというより、相手にしてない感じに見える。

今日は照れる春海くんが見られないのかな。
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