不要なモノは愛
そして、30分経った頃…


「いらっしゃいませー。あ、こっちですよ」


春海くんが入ってきた人を私たちの方へと導く。


「どうも、はじめまして。おじゃまします」


爽やかな声が聞こえたと同時に私の隣に影か出来た。見上げると長身の男性が立っていた。園子さんが空いていた私の隣りを勧めて、おしぼりを渡す。


「こちらこそ、はじめまして。わざわざありがとうございます」


「いえいえ、とてもお会いしたかったんですよ。俺、松野聖斗(まつのせいと)といいます」


「私は、深見小夏で…え、松野?苗字は松野さん?」


「はい、そうですが」


爽やかなこの声…似てる。それに、この松野聖斗さんのほうが優しい顔立ちだけど、何となく似てる。

もしかして…まさか…嫌な予感がした。

あの松野さんとつながりがあったりして…


「松野さん、兄弟いますか?」


「はい、5才上の兄がいますが」


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