不要なモノは愛
嫌な予感は的中した。松野聖斗さんと松野冬悟さんは、兄弟だった。何で、こんな偶然があるえるの?

私の願いを叶えようとしてくれる二人が兄弟だなんて、兄弟は考え方が似るのだろうか。

見た目は似ているようでいて、与える雰囲気が違う。兄よりも弟のほうが物腰が柔らかく人に好かれやすい印象を受け、好感が持てた。


「えっと、松野さん…弟さんは…」


「あははっ。聖斗と呼んでもらえればいいですよ」


人懐っこい笑顔を見て、私の口元もゆるんだ。同じ苗字だと、呼び方に困るけど、簡単に下の名前で呼んでいいと言われて助かった。

それと、23才と1つ年が下だったので、くん付けで呼ばせてもらうことにした。


「聖斗くんは、春海くんから聞いた私の求める条件を受け止めてくれますか?」


「もちろん。だから、ここに来ました。それに、こうやって会って、より力になりたいと思ったし」
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