不要なモノは愛
松野兄弟が誓約書に目を向けた時、私は秋絵と顔を見合わせた。秋絵も同じことを感じたようで、コクりと小さく頷く。
多分、聖斗くんは松野兄が好きなんだ。でも、聖斗くんには今、桜井さんがいるから大丈夫だろう。
何が大丈夫?…自分で思ったことなのに、突っ込んでしまいたくなった。
「えっと、前に話した条件が書いてあるのだけど、その他に二つだけ足しました」
子供はいかなる場合があっても、親権は絶対に母親であるということと、養育費等子供にかかる費用は父親に一切請求しないということを、書き加えた。
子供は絶対に私が育てるというのが条件なので、あとで、父親だから親権があるとか奪われるのは阻止したい理由で書き加えたものだ。
快く承諾した聖斗くんに何か裏があるのではないかと考えて追加した条件だけど、思い違いだったかも。
「分かりました。了承するので、ここにサインをしたらいいんですよね?」
「はい。お願いします」
「いや、待て。これは無効だ」
多分、聖斗くんは松野兄が好きなんだ。でも、聖斗くんには今、桜井さんがいるから大丈夫だろう。
何が大丈夫?…自分で思ったことなのに、突っ込んでしまいたくなった。
「えっと、前に話した条件が書いてあるのだけど、その他に二つだけ足しました」
子供はいかなる場合があっても、親権は絶対に母親であるということと、養育費等子供にかかる費用は父親に一切請求しないということを、書き加えた。
子供は絶対に私が育てるというのが条件なので、あとで、父親だから親権があるとか奪われるのは阻止したい理由で書き加えたものだ。
快く承諾した聖斗くんに何か裏があるのではないかと考えて追加した条件だけど、思い違いだったかも。
「分かりました。了承するので、ここにサインをしたらいいんですよね?」
「はい。お願いします」
「いや、待て。これは無効だ」