不要なモノは愛
私の嫌だという返事を無視されて、近くのスーパーで買い物をしてから、家に帰った。

我が家に初めて入るというのに、自分勝手な男は遠慮することも知らないのかと思うくらい、平然としている。当たり前のように、私の隣で野菜を洗っているし。

手伝ってくれるのはありがたいけど、私としてはやりにくい。心が落ち着かない。


ピンポーン


あ、誰か来た。出ないと…


「俺が出るからいい」


「え、いや、あの…」


タオルで手を拭いて、動こうとする私の肩を押して、松野兄が手を拭きながら、玄関へと行く。

俺が出るって…また勝手なことを!

慌てて追いかけるが、松野兄が開けるほうが早かった。


「は?松野さん?」


「なんだ。高宮か…」


「あ、一樹!」


3人で顔を見合わせたけど、なんか気まずい雰囲気が漂う。


「あ、一樹。あがりなよ。今…」


「何の用?」

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