ビターチョコレート。
第一章
第一章
朝日が窓から差し込む。
時間は恐らく午前6時頃。
昨日眠りに就いたのは遅かった筈なのに朝早く目が覚めるのは習慣だろう。
昨日女を泊めたことを思い出し寝室へと向かう。
寝室の扉を開けば、ベッドで熟睡中の彼女が見えた。
「おい、朝だ。起きろ」
声を掛けたが返事も、起きる気配もない
仕方なくベッドへ近づき、揺するが全く起きない。
初対面の人間、ましてや目の前で殺しをした男の家に泊まって熟睡出来るか?
コイツの神経を疑う。
仕方が無く、その場を離れコーヒーを飲むことにした。
さて、どうやって起こすか...
頭を抱えていると珍しく家のチャイムが鳴った。
今日は予定がない。
そんな日に来るのは業者か、依頼かもしくはヤブ医者だ。
出来れば今はヤブ医者はご勘弁願いたいが、残念ながらそれは叶わなかった。
気づけば「おはよーさん」と挨拶をしながら容赦なく扉を開いていた。
「何しに来た?」
「なんだよ、機嫌悪そうだな」
「てめーのせいだ」
「んだよ、飛びっきりのネタを朝一で持ってきてやったのに。
もう教えてやんねえ」
「飛びっきりのネタってなんだ?」
「あーやっぱり気になる?気になっちゃう?」
「うっせ、勿体ぶらずに早く言え」
「はいはい。
お前が昨日殺った奴が---の組織の下っ端らしくてな、お前のこと探してるって話だ」
「ちっ、やっぱ人助けなんざしたってロクなことがねえな」
話を聞いて思わず視線を寝室へと向ける。
「え?人助け?お前が?」
「ただの気まぐれだ」
「で、家に連れ込んだのか?」
「まあな。危機感なさすぎて逆にこっちが心配するレベルだけどな」
「おい、お前まさか....」
「んだよ」
ヤブ医者が変な目で俺を見て来たから思わず睨み返す。
別に何もしてねえんだけど...
「あ、あの...」
タイミング悪く寝室に寝かせてた女が起きたのか部屋から顔を覗かせた。
「あーやっと起きたのか。」
「すみません、お取り込み中でしたよね」
「気にしなくていい。どうせもう帰る」
「人がせっかくいい情報教えてやったってのにその言い方はねえだろうよ。
じゃ、情報料はその子と一晩ってどうだ」
「へ?」
突然話題に出されたのに驚いたのか女はあたふたしている。
多分一晩の意味も恐らくわかっていない。
「やめとけ。処女なんて面倒なだけだろ」
「しょっ....」
「そうか?いやー処女なら尚更調教のしがいがあるってもんよ」
「ど変態」
「お前みてえな悪趣味と一緒にすんな」
「俺は別にアンタみたいに女にはそこまで興味ねえからな」
「まあいい。冗談だ。今回は情報料はいらねえよ。」
「なんだ、珍しく気前がいいな」
「気分だ。それじゃあな」
ヤブ医者がようやく帰り、静寂が俺とシェリアを包んだ。
「あ、あの....」
「飯作ってくれんだろ?」
「え、あ...はい。」
「材料買いに行くぞ」
「はいっ」
俺はシェリアを連れて街に向かった。
それがどれほど危険なことか俺にはわかっていたが、
彼女は恐らく説明しても理解ができないと思った。
だから気にせず連れ歩くことにした。
身をもって知れば、もう二度と俺と関わろうなんて思わなくなるはずだから...
朝日が窓から差し込む。
時間は恐らく午前6時頃。
昨日眠りに就いたのは遅かった筈なのに朝早く目が覚めるのは習慣だろう。
昨日女を泊めたことを思い出し寝室へと向かう。
寝室の扉を開けば、ベッドで熟睡中の彼女が見えた。
「おい、朝だ。起きろ」
声を掛けたが返事も、起きる気配もない
仕方なくベッドへ近づき、揺するが全く起きない。
初対面の人間、ましてや目の前で殺しをした男の家に泊まって熟睡出来るか?
コイツの神経を疑う。
仕方が無く、その場を離れコーヒーを飲むことにした。
さて、どうやって起こすか...
頭を抱えていると珍しく家のチャイムが鳴った。
今日は予定がない。
そんな日に来るのは業者か、依頼かもしくはヤブ医者だ。
出来れば今はヤブ医者はご勘弁願いたいが、残念ながらそれは叶わなかった。
気づけば「おはよーさん」と挨拶をしながら容赦なく扉を開いていた。
「何しに来た?」
「なんだよ、機嫌悪そうだな」
「てめーのせいだ」
「んだよ、飛びっきりのネタを朝一で持ってきてやったのに。
もう教えてやんねえ」
「飛びっきりのネタってなんだ?」
「あーやっぱり気になる?気になっちゃう?」
「うっせ、勿体ぶらずに早く言え」
「はいはい。
お前が昨日殺った奴が---の組織の下っ端らしくてな、お前のこと探してるって話だ」
「ちっ、やっぱ人助けなんざしたってロクなことがねえな」
話を聞いて思わず視線を寝室へと向ける。
「え?人助け?お前が?」
「ただの気まぐれだ」
「で、家に連れ込んだのか?」
「まあな。危機感なさすぎて逆にこっちが心配するレベルだけどな」
「おい、お前まさか....」
「んだよ」
ヤブ医者が変な目で俺を見て来たから思わず睨み返す。
別に何もしてねえんだけど...
「あ、あの...」
タイミング悪く寝室に寝かせてた女が起きたのか部屋から顔を覗かせた。
「あーやっと起きたのか。」
「すみません、お取り込み中でしたよね」
「気にしなくていい。どうせもう帰る」
「人がせっかくいい情報教えてやったってのにその言い方はねえだろうよ。
じゃ、情報料はその子と一晩ってどうだ」
「へ?」
突然話題に出されたのに驚いたのか女はあたふたしている。
多分一晩の意味も恐らくわかっていない。
「やめとけ。処女なんて面倒なだけだろ」
「しょっ....」
「そうか?いやー処女なら尚更調教のしがいがあるってもんよ」
「ど変態」
「お前みてえな悪趣味と一緒にすんな」
「俺は別にアンタみたいに女にはそこまで興味ねえからな」
「まあいい。冗談だ。今回は情報料はいらねえよ。」
「なんだ、珍しく気前がいいな」
「気分だ。それじゃあな」
ヤブ医者がようやく帰り、静寂が俺とシェリアを包んだ。
「あ、あの....」
「飯作ってくれんだろ?」
「え、あ...はい。」
「材料買いに行くぞ」
「はいっ」
俺はシェリアを連れて街に向かった。
それがどれほど危険なことか俺にはわかっていたが、
彼女は恐らく説明しても理解ができないと思った。
だから気にせず連れ歩くことにした。
身をもって知れば、もう二度と俺と関わろうなんて思わなくなるはずだから...