永遠を君に…

お風呂から上がると カケルの服が用意されていた。

上がると 後輩は居なくて 上半身裸のカケルがいた。


「ごめんッ‼…お風呂、勝手に借りた」
「カケル、バイクで行ったの?」


「いや、ひっさびさチャリ乗った。傘差したけど 意味ねぇくらい濡れた」


「あ!そうなの?お風呂入って来なよ…ロールキャベツの準備しとくから」


カケルはお風呂場に向かった。


よし!じゃあ準備するかッ


私は早速 キッチンに立ち材料を冷蔵庫から取り出した。

トントン…


まな板の音が部屋中に鳴り響く。

うっ…うぅ〜

私の声も部屋中に鳴り響く


今日で この家とも サヨナラ だ。

私は何回このキッチンに立っただろう。


トマトに包丁を入れた瞬間に涙が溢れ出た。
今までは 包丁が進んで行くと カケルの喜ぶ顔が見たい一心にかられたのに今は
何故か縁が切れてしまったように感じた


するとお風呂場のドアが開く音が聞こえた。私はタオルで涙を拭いて 水を出し顔を洗ったような演出をした。



< 163 / 236 >

この作品をシェア

pagetop