幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)
「ま、そういうのは人それぞれなんじゃない?

少なくともりり花は俺のことを信頼してくれてるし、

いい空手仲間だと思ってくれてるみたいだから
とりあえずはその関係を大切にするよ」



「それは、りり花のことを諦めるってことですか?」



感情を見せない颯大に、イラ立ちが隠せない。



「俺は伝えることは伝えた。あとはりり花次第だよ」



そう言う颯大をじっと見つめた。


俺は"りりか次第"なんて思うことなんてできない。


例えりり花を困らせたとしても、りり花を手放すなんてできない。



「でもさ、俺はりり花にとって玲音くん以上に特別な存在にはなれないような気はしてるよ」



そう言って穏やかに笑うと颯大は帰っていった。







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