幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)
バスに乗り込むと玲音がポケットからなにやらとりだした。



「りりちゃんが楽しみにしてた例の映画、明日からだよ。

早速観に行く?」




「うわっ!

本当にチケット買ってくれてたの?!

朝から行きたいっ!」



興奮している私の頭を玲音が優しくなでる。



「せっかくのデートなんだから、俺のために可愛いカッコしてきてね?」



「空手の道着ってのはどう?
盛り上がりそうじゃない?!」



「それだけはイヤだ……」



心底イヤそうな顔をした玲音に吹き出した。



そっか……




玲音だから、こんなに楽しいんだ。


玲音と一緒だから、こんなに嬉しいんだ。



近すぎてわからなかった想いに気づいたら


ちょっとだけ気持ちが楽になった。


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