幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)
「俺、ちょっと部室に用があるから映画館前で待ち合わせでいい?」


「うんっ」


恥ずかしくて玲音の顔を見ることができないまま答えた。



一足先に玲音が出掛けていくと、

普段は着ることのないワンピースを着てグロスをつけた。


今日、ちゃんと玲音に伝える。


玲音のいない生活なんて考えられないほど玲音は大切な存在なんだって。



多分、そういう意味で、私は玲音のことが…

好きなんだって。



鏡のなかの自分の姿を何度も確認してから家を出た。



いつも一緒にいるのに、待ち合わせをするだけでなんだかドキドキする。


バスに乗っている間もソワソワと落ち着かなかった。


映画館に向かい、入り口で玲音を探す。


けれど玲音の姿は見当たらない。


いつもバカみたいに早く来るのにどうしたんだろう?


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