幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)
待ち合わせの時間から20分近くが過ぎたころ、
「りり花!」
と後ろから名前を呼ばれた。
ふりかえると、そこに立っていたのは玲音ではなくて颯大だった。
「……どうして颯大がここにいるの?」
キョトンと颯大を見上げると、
颯大が映画のチケットを私に見せた。
「玲音くんからこのチケットもらったんだよ。
つうか、いきなり押しつけられた」
意味がわからず、颯大の手にしている2枚のチケットをじっと見つめる。
すると気まずそうに颯大が口を開いた。
「多分、玲音くん、りり花が俺のこと好きだって誤解してる」
「…………え?」
「玲音くん、いきなり俺にこのチケット渡すから、なにがなんだかわからなくて
引き留めようとしたら
"りり花のことよろしくお願いします"
って言って走って帰っちゃったから追いかけられなくてさ」
颯大の手のひらにのせられたチケットを見つめたまま言葉を失っていると
颯大にポンポンと軽く頭を叩かれた。
「颯大、私……」
「わかってるよ、玲音くんのことが好きなんだろ?」
戸惑いながらもコクンと頷くと、颯大が頬を緩めた。
「早く玲音くんのところに行ってあげなよ。
りり花も自分の気持ちちゃんと伝えろよ?」
颯大を見上げると、颯大の柔らかな眼差しに包まれた。
「その代わりさ、このチケットもらっちゃってもいい?
俺もこの映画ずっと観たかったんだよ」
「颯大、本当にごめんっ」
穏やかな笑顔を浮かべる颯大に
何度も頭をさげて謝った。
「りり花!」
と後ろから名前を呼ばれた。
ふりかえると、そこに立っていたのは玲音ではなくて颯大だった。
「……どうして颯大がここにいるの?」
キョトンと颯大を見上げると、
颯大が映画のチケットを私に見せた。
「玲音くんからこのチケットもらったんだよ。
つうか、いきなり押しつけられた」
意味がわからず、颯大の手にしている2枚のチケットをじっと見つめる。
すると気まずそうに颯大が口を開いた。
「多分、玲音くん、りり花が俺のこと好きだって誤解してる」
「…………え?」
「玲音くん、いきなり俺にこのチケット渡すから、なにがなんだかわからなくて
引き留めようとしたら
"りり花のことよろしくお願いします"
って言って走って帰っちゃったから追いかけられなくてさ」
颯大の手のひらにのせられたチケットを見つめたまま言葉を失っていると
颯大にポンポンと軽く頭を叩かれた。
「颯大、私……」
「わかってるよ、玲音くんのことが好きなんだろ?」
戸惑いながらもコクンと頷くと、颯大が頬を緩めた。
「早く玲音くんのところに行ってあげなよ。
りり花も自分の気持ちちゃんと伝えろよ?」
颯大を見上げると、颯大の柔らかな眼差しに包まれた。
「その代わりさ、このチケットもらっちゃってもいい?
俺もこの映画ずっと観たかったんだよ」
「颯大、本当にごめんっ」
穏やかな笑顔を浮かべる颯大に
何度も頭をさげて謝った。