幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)
走ってマンションに帰り息を整えながらドアを開けると、

玲音が大きなボストンバッグを片手に立っていた。



「……りり花?!」



目を見開いて驚いている玲音を思い切り平手で叩いた。



「………痛ぇ」



痛みで目をしばたかせている玲音に詰め寄る。



「なんで待ち合わせに来なかったの?

どうして勝手に颯大にチケット渡したの?

玲音、なに考えてるの?」




「……俺が行くより、りり花が喜ぶと思ったから」



小さな声で答えた玲音に声を荒げる。



「私、そんなことして欲しいなんて一言も言ってないっ。

それに、その荷物はなに?


また黙って出ていくつもりだったの?


どうして玲音は一人で暴走しちゃうの?

どうして私の話を聞いてくれないの?」




「じゃ、俺はどうすればよかったんだよ…」



下を向いたままそう呟いたかと思うと、玲音はボストンバックを乱暴に投げ捨てた。


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