美人モデルは最強姫⁉︎

「………桜ちゃん」


教室のドアを開ける直前に愛奈から呼び止められた。


「どうしたの？愛奈」


扉を開けようとした手をピタッと止める。


「あの、さっきの桜ちゃん…いつもと違ったから…びっくりしちゃって」


ちょっと口が悪くなったときのこと…だよね。


一瞬、族関係のことがバレたのかとヒヤッとした。


「ん…あ、あれ？あれは…ちょっとカッとなっちゃって」


『あはは〜』と苦笑いで受け流す。


「そうなんだ。びっくりしたけどかっこよかったよ！桜ちゃん」


こっちの心配とは裏腹に、目を輝かせてキラキラしている。


よかった…愛奈が単純で。


ここでまた怪しまれて俊にでも言われたらかなりまずいことになるもんね。