眠れぬ夜をあなたと
彼の編集部から請け負っている仕事は、女性雑誌の映画の紹介記事だ。
映画とはいっても、最近の映画ではなくて。
デジタル技術も未発達で、多大な人の労力が必要とされた時代の映画だ。
当時、映画にかけた人々の熱意によって、たくさんの名作と呼ばれる映画が制作された。
その古き良き時代の映画を、私と同世代の女性たちも興味をもって楽しめるよう解説をするのが今回の仕事の大筋で、映画好きの私としては願ったりの内容ではある。
これが私のもとへとまわって来たのは、半年前のこと。
同じ出版社内で生活情報誌の仕事をくれる担当さんに、女性誌の編集部から映画に詳しい人を頼まれたからやってみる? と軽い調子で打診された。
その時は、まさか女性誌と縁のなさそうなこの人が女性誌の編集部に異動していて、担当編集者になるとは思わなかった。
お堅い本の編集の方が多分向いているだろうに、自分の得手不得手は関係ない。
大手出版社とはいえど、サラリーマンのつらいところだ。
それすらも彼が有能な証で、色んな部署を巡らされるのは『可愛い子には旅をさせよ』的考えなのだろうけれど。
私と成本さんと初めて会ったのは、この出版社のメンズ雑誌の雑用アルバイトをしていたころ。私がまだ大学生のころの話だ。
映画とはいっても、最近の映画ではなくて。
デジタル技術も未発達で、多大な人の労力が必要とされた時代の映画だ。
当時、映画にかけた人々の熱意によって、たくさんの名作と呼ばれる映画が制作された。
その古き良き時代の映画を、私と同世代の女性たちも興味をもって楽しめるよう解説をするのが今回の仕事の大筋で、映画好きの私としては願ったりの内容ではある。
これが私のもとへとまわって来たのは、半年前のこと。
同じ出版社内で生活情報誌の仕事をくれる担当さんに、女性誌の編集部から映画に詳しい人を頼まれたからやってみる? と軽い調子で打診された。
その時は、まさか女性誌と縁のなさそうなこの人が女性誌の編集部に異動していて、担当編集者になるとは思わなかった。
お堅い本の編集の方が多分向いているだろうに、自分の得手不得手は関係ない。
大手出版社とはいえど、サラリーマンのつらいところだ。
それすらも彼が有能な証で、色んな部署を巡らされるのは『可愛い子には旅をさせよ』的考えなのだろうけれど。
私と成本さんと初めて会ったのは、この出版社のメンズ雑誌の雑用アルバイトをしていたころ。私がまだ大学生のころの話だ。