拝啓
冬へ。
ありがとう。何時も来てくれて。でも、とうとう冬が来てくれても、冬と分からなくなって来ちゃった…。ゴメンね。
恐いよ…。ドンドン夢の中の時間が多くなってくる。
冬さえ分からなくなって来る時が恐い。
そしたら、もう、無理しないでね。
と言うか、そんな姿を貴方に見られたくないの。
貴方には笑った顔を思い出して欲しいから、この手紙を受け取ったらもうここへは来ないで下さい。
我が儘ばかり言ってゴメンね。
優しい貴方と出会えて私は人に優しく出来るようになりました。
そして、貴方は私に愛を教えてくれました。
ありがとう。冬。
私は何時までも冬の幸せを願ってます。
貴方の笑った顔が私は好きです。
沢山の優しさと愛をありがとう。
私は貴方に恋をして幸せでした。
彩佳。
冬也は読み終えると、静かに寝ている彩佳の頭を優しく撫でて、頬に手を添えた。
そして、静かに病院を出ていった。