拝啓
エピローグ 彩佳
私は薄れ行く現実を必死で受け入れようとしていた。
意識が無くなっている時間が多くなってきた。
宗ちゃん、華澄…。ゴメンね。
私は確かにあなた達を愛している。
でも、冬の事は私にとって特別な存在なの。
あの人が居たから人を愛することを学んだの。
あの人の空気は私を無防備にさせてくれたの。
言葉では言い表せない。
私はきっとあなた達を傷つけると思う。
最後の最後でゴメンね。
嗚呼…。また意識が遠退く。
冬。
ありがとう。
貴方は私の憧れの人で、私は貴方に恋をしたこと幸せでした。
貴方の優しさに触れて幸せでした。
本当は恐い…。出来ることなら…。出来ることなら生きていたい。
私は何処に行くんだろう…。
あの手紙、華澄見つけてくれるかな?
冬に手紙を渡してくれるかな?
渡して
くれたら
良いなぁ…。
沢山
書いた手紙だけど最期の言葉は
あの……
ひ………と…………こと……だ…っ…。
彩佳は永遠に夢の中の住人になった。