勇者と魔王の弟子の物語
BB1567年 バッカスベル
「ーーーま!…ーーさま!」
……うーん……
「ールさま!起きてください!」
……うぅ〜……あと5ふん……
「アルさま!いい加減に起きないと、ぶん殴りますよ?」
その言葉にパチリと目をあけると、見慣れたこげ茶の髪と瞳、特徴的なそばかすの顔がすぐ目の前にあった。
「わわわっ!ロイド、近いって!起きるっ起きるから‼︎殴るのは勘弁して!」
アルさま、と呼ばれていた子供は驚き、すぐさま体を起こした。
「まったく…。とりあえず、急いで湯浴みをしましょう。今日はアルさまの誕生なのですから、忙しいですよ!」
アルにロイド、と呼ばれた青年はテキパキと支度を始める。
ああ…そうだ。
僕は今日
誕生日だったんだ。