勇者と魔王の弟子の物語

「おいっ‼︎皿が足りないぞ!至急用意しろ!」


「ここに置いてあった紙知らないか⁉︎招待客のリスト!」


「王妃さまの椅子に埃がっ‼︎早く掃除しなさい!」


「アールーさーまー‼︎どこにいるのですか‼︎主役がいないなど、言語道断です!」



……あ、最後のはロイドの声だ。



僕はアルバート・バッカスベル
みんなにはアルって呼ばれてる。


今日は僕の10歳の誕生日。
お城で誕生日パーティーを開くらしいんだ。



でも、僕はパーティーって好きじゃない
ジッとするのはつまらないから。



ということで、只今絶賛脱走中なのです
ロイドのすきを突いて窓から出てきちゃいました。



今は木の上で隠れています。

ロイドに見つかったら殴られるどころじゃ済まなくなるからね!



ロイドはずっと何年も僕の世話をしてくれて、優しくて大好きだ。



でも、僕の剣の師匠でもあって、怒るとすっごく怖いんだ。


「ア!ル!さ!まぁぁぁぁあああ‼︎‼︎‼︎」



まずいっ!
ロイドがこっちに来るみたい!


しょうがない、場所を移動しよう…


僕は、普段は誰も近づかないような古い小さな物置へと入っていった。



物置の中は結構広くて、一応誰かがパーティの前に掃除したらしく、綺麗になっていた。



ロイドに見つからないように走って疲れた僕は、そこで少し休むことにしたんだ



そして僕は


眠ってしまったんだ。





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