勇者と魔王の弟子の物語
ハッと僕が目覚めると、窓から見た空は赤色をしていた。
まずい!もう夕方なんて!
ロイドに怒られちゃうよ〜!!
僕は急いで小屋をでた。
辺りは一面赤い光で覆われていた。
それは、見慣れた夕日の綺麗な色なんかじゃなくって
お城を包み込む炎の色だった。
…僕には何が何だかわからなかった。
その場で立ち尽くして、動けなかった。
遠くの方で叫び声が聞こえる…
…そうだっ!母さまやロイドはっ⁉︎
もしかして、まだ中に…
僕は、みんなは避難したなんて考えは浮かばなくって
焦りと不安で押しつぶされそうになりながら
お城の裏手へ駆けていった。
お城の裏手には、秘密の抜け穴があるんだ。
何かあった時は、ここを使ってお屋敷から出なさいってロイドに言われた。
ここから逆に中に入れる…!
僕は抜け穴のところのレンガをどかして、薄暗い通路を駆けていった。