ながれぼし



大丈夫



「大丈夫」



大丈夫。



「うん」



「大丈夫やから」



「うん…」





自分に言い聞かせるように



“大丈夫”と
繰り返すあたしに



春人はただ
“うん”と―






このとき





もしかしたら





何か予感がしていたのかもしれない。





何があるのか





春人がなにに苦しんでいるのか





何も知らんかったけど






何も聞けんかったけど






ただ、あの時








いつも元気な春人を







いつだってあたしを助けてくれていた春人を








はじめてあたしに見せた






泣きそうな顔をした春人を







助けたいと思いました。









でもなんもできんかった









ごめんな……






< 105 / 248 >

この作品をシェア

pagetop