ながれぼし




―カランカランッ



「いらっしゃいませ―…
………!」



「ゆきいーっ!!久しぶり!!!」



急に抱きついてきたのは絵里だ



「絵里!久しぶりぃ!!帰ってきてたんやあ」



「来週は圭介の結婚式やん★里帰りも兼ねて早めに帰ってきたんよ〜」



絵里は例の山口くんと上手くいき結婚



今じゃ一児の母親だ



そして来週…圭介の結婚式だ。



「圭介も絵里もすごいなあ!長い時間をかけて結ばれたね」



「そういう雪はどうなんよ?」



「あぁ〜こっちはサッパリ」



春人と約束を交わしてから数年



実家のパン屋を継ぎ



あたしも今じゃいいオトナだ



「圭介一応招待状出したらしいよ?帰ってきたらいいのに」



「そっか…まああいつのことやけん帰ってこんやろーなあ!笑」



「雪…大丈夫?春人くんをこのまま待ち続けるつもり?」



心配そうな絵里に

雪は笑ってみせた



「大丈夫大丈夫!
待つのは慣れてるから」



あの時


彼を失う怖さに怯えながら


ただ目を覚ます日を待っていたあの日々に比べれば


こんなこと


どうってことない






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