ながれぼし
「春人くん!」
ビクッ
中田さんだ…
「おぉ!どしたん?」
中田さんはわざとらしくあたしと春人を交互に見たあと
それからゆっくり視線を落として
あたしを一瞬睨んだ。
それからとても申し訳なさそうな顔をして
「あっ…ごめんなぁ…
佐野さんと…話しよんのに邪魔してしまったなあ」
と言った。
「いやいや、ぜんぜんかんまんよ〜」
春人も明るく返す。
はっ??
わざとらしいにもほどあるやろ。
この子やばい…
春人もにこにこしぃまわんな!
愛想良すぎよ!!
この子が猫かぶってるんわからんの!?
あたしは中田さんにも春人にもイライラしていた。
春人
気付いてよ
この子ひどいんよ?
そんなににこにこせんとってよ…
気付くとこんなことを考えていた。
そんな自分に内心すごく驚いて―――
気付いてほしくないのに
気付いてほしい。
あたし矛盾しとる…