みんなの冷蔵庫(仮)2
「シグマさん、我々は少し遠いですし、そろそろ行きましょうか」


佐田さんがエプロンを外しながらシグマの横に立つ。

シグマはベージュの膝丈パンツにボーダーのポロシャツ姿なのに、佐田さんはまたスーツ姿。

この二人の組み合わせがなんだか親子連れみたいで、ちょっと笑いが出た。


「くららちゃん何笑ってんの?」

「何でもないよ。いってらっしゃい」


慌てて緩んだ口元を引き締め、紅茶のカップに口をつける。

シグマはケーキをもう一本口にくわえて立ち上がった。


「じゃ、キョンキョン、くららちゃん、また後で」


また後で。

さっきちよみとも交わした言葉。

なんとなく交わされる、次の約束。

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