みんなの冷蔵庫(仮)2
「こんな時間から営業してるの?」


重々しい木戸に手をかけた京極の背中に問い掛ける。


「開店前だが、言ってあるから大丈夫」


そう言って木戸を思い切り横に引く。

入って右手には生い茂る様々な緑。

左手には見事な枯れ山水。

やっぱり中も和風で、中華料理店の雰囲気ではない。

玄関に続く大きく丸い飛び石の上を大股で歩く京極の後に続く。


佐田さんのお母さんってどんな人だろう。

不安やドキドキに勝る好奇心は、私が佐田さんのことをまだまだ好きな証拠のような気がした。


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