みんなの冷蔵庫(仮)2
俺は馬鹿だけど、相手の目を真っ直ぐに見て、堂々と嘘をつくことの難しさは、分かる。

多分俺にはできない。

園長先生は高校生までしかいられない俺達に、とにかく奨学金を利用してでも進学をしなさい、何か資格を取りなさい、と言う。

金銭的に貧しいことは少しも恥ずかしくないのだから、自信を持ち、安定した職に就き、家庭を持って子供を可愛がって、と何度も言われた。

貧しいからと、それを理由に諦めると、いつまでもそれ以上前に進めずに後悔しますよ、とも。


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