みんなの冷蔵庫(仮)2
「どこ?」

「え……?」


目だけを少し動かして俺を見、低い声で苛立たしげに言われ、きょとんとしてしまう。

そんな俺によりイラついた様子で舌打ちをする。


「どこに来いって? 食堂?」

「う、うん」


俺が床に座ったまま頷くと、大きなため息をつき、カーキのハーフパンツに白のタンクトップ姿のまま、部屋を出て行った。

俺も慌てて後に続く。

シオくんは大股で歩いて食堂に向かい、窓ガラス前でピタリと動きを止めた。

急に立ち止まったことにより、やっと追いつけた俺は彼の前に回り込んだ。

そしてはじめて見た。

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