みんなの冷蔵庫(仮)2
リューマンがゆっくりとした足取りで廊下に出て、シオくんの横にいた俺のすぐ前で止まる。

シオくんとリューマンの距離はぐっと近くなり、まだお互い見つめ合っている。

リューマンの肩がさりげなく俺の前に割り込んできて、俺とシオくんの距離は広がり、俺にはリューマンの背中しか見えなくなる。


「どこかで一度お会いしましたよね?」


リューマンはゆっくりとした口調でそう言い、腕を斜め下方に伸ばし、俺をより後ろへ追いやろうとする。


「ああ。会ったな。二回」


二人の声しか聞こえない。

でも、何だろうこの緊張感。

パッと見明らかにリューマンの方が強そうなのに、シオくん有利で戦いが始まろうとしているみたいな空気。

二人の間に不思議な間があって、それを肌で感じる。


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