みんなの冷蔵庫(仮)2
「ねぇ、トキちゃん」

上がった息で問いかけ、トキちゃんの動きが一瞬止まったその時。

突然何か激しい物音がした。

トキちゃんが立ち上がり、私もベッドの上で体を起こして耳を澄ます。
それが力強くドアを叩く音だということが分かった。

そしてそれが止むと今度は少し離れたところ――多分玄関で言い争うような声が聞こえ、段々とそれがリビングに近付いてきた。


「そんなへぼい色出して何ができんの?」


さっきの金髪少年が馬鹿にしたような口調で言うのが聞こえた。

トキちゃんがリビングへとつながる扉に手をかけた時、今度は佐田さんの声がした。


「シグマさん!」



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