みんなの冷蔵庫(仮)2
「冷蔵庫に入れてくれ、今すぐ」


そんな風に力強く言われても、私は京極の顔が見れなかった。

だから、泳いだままの視線をふわりとシグマへ移した。

すると、シグマは真っ直ぐに私を見つめていて。

恋なんてしていないはずなのに

力の影響のはずなのに――

愛情を……愛されていると錯覚せずにはいられない程の熱いまなざしを、一直線に私に放ってくる。

私は動けない。

恥ずかしくて、苦しくて

そして悔しいくらい勇気がなくて。

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