みんなの冷蔵庫(仮)2
シグマを開放してあげたい。京極も救いたい。

でも、どうすればいいのか分からない!!

私の心は、自問自答でがんじがらめになる。


「京極さん、それはちょっと待って下さい」


佐田さんが慌ててそう言い、肩で大きく息を吸った。


「まず、周りを固めましょう。冷蔵庫へ入るのはもう少し練習してからでも遅くはありません。私にあの二人のことを調べさせてください」

「周り? 今更何を? 犯人はあいつらだったじゃないか!」


穏やかに言う佐田さんに、京極はイラついた表情を浮かべて噛み付いた。


「三日月食品の例のOLの聞き込み、効率良くやるために私の彼女にやらせてもらえませんか? 彼女、こういうの得意ですから。その間光の練習をやっていて下さい」


子供に言い聞かせるように優しい声でそう言うと、佐田さんはチラっと腕時計を見た。



< 248 / 354 >

この作品をシェア

pagetop