みんなの冷蔵庫(仮)2
「シグマさん、あなたも無理しないで下さいね。あなた達に何かあっては、例え会長が助かっても意味がありませんから」


佐田さんはシグマの方に体ごと向いてそう言うと、シグマが頷くのを見て、しゃんと背筋を伸ばした。

さっきまでマーライオンの様にリバースしてた人とは思えない、キリッとした立ち姿にびっくりする。

流石というか……
佐田さんこそ無理してないといいけど……


「お前こそ無理をするんじゃないぞ。何かあったらすぐに連絡をくれ」


京極が私の気持ちを代弁するかのように、広い背中に声をかけた。


「はい、必ず」


佐田さんは振り返り、まだ少し白っぽい顔で微笑んだ。

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