みんなの冷蔵庫(仮)2
佐田さんは京極から携帯電話を受け取り、運転できないからとタクシーを呼ぶと、すぐに部屋を出て行った。

なんというか……

その慌ただしさに、気持ちがざわつく。

誰が何をするだとかどうこうを、細かく手際良く指示する余裕もないのだと思うと、リアルに危機感が募る。


「くらら。移動時間も惜しいし、もしかしたら奴らがまた現れるかもしれない。ここで入れてくれるか?」


京極は私の真正面に立ち、両腕で私の肩を掴むと、思いつめた瞳でじっと私を見つめた。

ついに来た、この時が。


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