みんなの冷蔵庫(仮)2
独白
常に汚いところで生活をしていて、他の世界を知らなかったから、そこが汚いかどうかを知らなかった。

いつも下着姿の女と、時々現れる若い男。

その男が現れると、決まって俺は押し入れの中に入れられた。

狭くてかび臭い押し入れの暗闇が怖くて、必死で外の音に耳を澄ませた。

聞こえてくるのは獣のような息遣いと、肉のぶつかり合うような音。
時々聞こえる女の高らかな笑い声。

余計に恐怖感は増し、何度そこに入れられようと慣れる事はなかった。

けれど泣くのは止めた。二人に殴られるから。

おとなしくしていれば、男が帰ると出してもらえる。

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