みんなの冷蔵庫(仮)2
ケンちゃんが歩き出した頃、男と女はよく言い争うようになった。

時には俺も殴られた。

俺はケンちゃんに抱き着いて、ケンちゃんだけでも殴られないように努力をした。

ケンちゃんは白くてぷにぷにとしていて、抱き締めると気持ちよかった。

しばらくして、いつの間にか男の姿を見なくなった。

ある日、女が菓子パンやスナック菓子やインスタントラーメンが大量に入った袋を置き、出て行った。

ケンちゃんがいくら泣いても、男も女も帰って来なかった。

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