みんなの冷蔵庫(仮)2
ケンちゃんとお菓子と水道の水を飲みながら過ごした。

しばらくして、ケンちゃんが泣かなくなった。

畳の上で両手を広げて仰向けに寝て、何も言わなくなった。

俺は腹が減っていた。

ケンちゃんが欲しがらないのをいいことに、残り少ない食料を一人で食べた。

インスタントラーメンにそのままかじりつきながら、ケンちゃんの小さな指がウィンナーのように見えて、もいでしまいたい衝動に駆られた。

何も考えず、力強く何本か引っ張った。

その時ケンちゃんは少しだけ動き、またぴくりともしなくなった。

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