みんなの冷蔵庫(仮)2
どうやら推定五歳の俺と、一歳半のケンちゃんは、二人っきりで約二月放置されたようだった。

近所の人から異臭がすると通報を受けて警察が来た時には、ケンちゃんはもう亡くなって十日以上経っていたらしい。

当時の俺は「死」をよく理解していなかったけれど、布に包まれて運ばれるケンちゃんを見て、罪悪感が押し寄せた。

自分のせいでケンちゃんが動かなくなり、臭くなってしまったのだと分かった。

自分だけ、お菓子を食べてしまった。

どこか痛かったかもしれないのに、ケンちゃんのことなど考えてやれなかった。

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