みんなの冷蔵庫(仮)2
しかし本当の罪悪感はずっと後からやってきた。

その重さは、いろいろと物事を理解できるようになってから強くなった。

周りはできるだけ俺から事実を遠ざけた。

それは余計に幼い俺の好奇心を煽ることになったし、自分は何であったのかはずっと知りたいと思っていた。


母親らしき人物は自殺していた。
彼女もまた親から虐待を受けて家出をした女だったことも、俺が大人になって知った。

母親の顔は思い出せない。

ケンちゃんの顔さえも。

でも、ケンちゃんの指は思い出す。

夢にもみる。

何度も。何度も何度も。

腐ってしまった後の体も。

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