みんなの冷蔵庫(仮)2
「じゃ、こうしよう。まずは三分だ。三分入れてくれ。そして次はその倍。少しずつ時間を伸ばそう」


京極はリビングの壁に掛けられている時計と自分の腕時計の時間を合わせながら、そう言った。


「シグマ、大丈夫か? 無理は絶対するな」

「大丈夫。今度はヤバくなる前に言うよ」


中腰になってシグマの顔色を覗き込む京極に、シグマは微笑み返す。

その二人の横顔を見ながら、私は震える心臓を守るように、胸元に両手を押し付けた。

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