みんなの冷蔵庫(仮)2
何か言わないといけないと思いながらも、胸が詰まってただただシグマの後頭部を見つめると、いきなりそこがくるりと振り返った。
「十秒前!」
そう言って両手を前に突き出す。
「3、2――」
シグマの手から解き放たれた揺らめくピンクの光の塊から、京極はスッと現れた。
そのしゃんとした立ち姿に、なぜか泣きそうなくらい感情が高ぶる。
「中は真っ白だ。何もない。まるで箱のように四角……とにかく何もなく、前が見えない程じゃないが、少し薄暗い。広い空間だ」
京極は興奮した様子でまくし立てた。
「足元はなんだかツルツルしていてフローリングのようだ。屋根はあるのかないのかわからない。とにかく白いから。端にドアのような物が見えた」
そう言ってから、京極は私達二人を交互に見つめた。
「十秒前!」
そう言って両手を前に突き出す。
「3、2――」
シグマの手から解き放たれた揺らめくピンクの光の塊から、京極はスッと現れた。
そのしゃんとした立ち姿に、なぜか泣きそうなくらい感情が高ぶる。
「中は真っ白だ。何もない。まるで箱のように四角……とにかく何もなく、前が見えない程じゃないが、少し薄暗い。広い空間だ」
京極は興奮した様子でまくし立てた。
「足元はなんだかツルツルしていてフローリングのようだ。屋根はあるのかないのかわからない。とにかく白いから。端にドアのような物が見えた」
そう言ってから、京極は私達二人を交互に見つめた。