みんなの冷蔵庫(仮)2
「ほとんどの力が、くららちゃんにあるみたい。だから俺、倒れちゃったのかも。ごめんね」


半分じゃない?

シオって男の子は、なぜそんな事まで分かるのだろう?

そして、シグマは何を謝るのだろう。

私は何て返事をしたらいいのだろう。

なにより、そんな風に考える自分が恨めしい。

昔はシグマと一緒にいることに、いちいちどうしたら良いかなんて考えたりしなかったはずなのに。


「そろそろだね」


シグマが時計を見ながらゆっくり立ち上がる。

さっきよりも長い時間なのに、今度は早く時が過ぎた気がした。


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