みんなの冷蔵庫(仮)2
シグマはまたカウントしながら両手を前に突き出し、光を放ち、そこに京極が現れる――はずだった。


「えっ?!」


シグマの顔から、一気に血の気が引いた。

何?

嘘だよね?


私は慌てて立ち上がりたいのに、腰が抜けたみたいに力が入らない。

シグマを見上げ、見守る。

シグマは両手から光を出し続ける。

なのに、そこには光しかない。

光しか。


「え……シグマ?」


問い掛けたシグマの額には大粒の汗。

嘘……

京極が――出てこない?!

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