みんなの冷蔵庫(仮)2
シグマは泣くのを堪えたような顔をし、深く息を吐き出すと、その場にしゃがみ込んだ。


「俺のせいだ」


折った膝に顔を埋め、低く呻くようにシグマは言った。

その上下に揺れる憔悴しきった肩にそっと触れる。
発熱したように高い体温が、シグマの努力を物語っていた。


「絶対、シグマのせいじゃないよ」


シグマから返答はなく、うなだれて荒い呼吸を繰り返す。


シグマのせいじゃない。


私は意を決し、シグマから数メートル離れた。

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