みんなの冷蔵庫(仮)2
怖い。

でも、やるしかない。

臆病者だったはずなのに、急に自分の中にもう一人強い自分が表れたように、今私を駆り立てている。


早く中へ、と。


「絶対、絶対大丈夫! だから、一時間後ね」

「やめっ――」


シグマが苦しそうに顔を歪め、這いながら私に手を伸ばして来るのが見えた。

けれど私は目を閉じ光を放った。

自らに。

冷蔵庫の中に入るイメージを浮かべ、閉じた。

シグマの叫び声が、遠くに聞こえた気がした。

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