みんなの冷蔵庫(仮)2
敵は一人じゃない
「シオ」と呼ばれていた男は汐田 荘司(シオタ ソウジ)に違いない。

なぜ最初から「その可能性」を少しでも疑わなかったのだろうか。
今更悔やんでも仕方のないことだが。

最後にあの橋で見た彼は、子供とは思えないような目をしていた。


まさか見られていたとは。
いや、見ていたとしても、俺だと記憶しているとは驚いた。

あの時、彼の「その後」を追えばよかった。

そうしたなら、今のこの状況は回避できたかもしれない。



タクシーが目的地に停まる。

かおりの職場だ。

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