みんなの冷蔵庫(仮)2
「かおり……昼メシか?」


どうしてここに、と聞こうとして、コンビニの袋を下げているのに気付く。


「そ。で、何?」

「暇か?」

「んな訳ないでしょ」

「そうだな……」


即答され言葉に詰まると、かおりは勢いと体重をかけて腕を絡めてきた。


「で? 何して欲しいの?」

「悪いな」


俺の肩に乗りそうな程あごを上げ、探るような顔で見上げてくるかおりに、苦笑いで返す。


「高くつくからね」


そう言うと絡んだ腕を引っ張るようにビルへと歩き出した。
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