みんなの冷蔵庫(仮)2
「最初から入ってた。ペットボトルごと転がって移動していたのを見付けたんだ」


それを聞きホッとして、後頭部にやりかけた手を下ろす。


でもペットボトルごと移動って……ナメクジってそんなに器用な生き物だったっけ?

そんなことより、こんなにデカかったっけ?


透明な筒状の中にミチャーと、くっつくように入っているナメクジ。

気持ち悪いから見たくないのに、つい気になって見てしまう。


「どうやらある程度『ここ』から離れると、帰れなくなるようだな」


京極が難しい顔をして言った。

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