みんなの冷蔵庫(仮)2
「どういうこと?」

「つまり――」


問い掛けに京極が答えようとした時。


こもった声がした。

バケツに頭を突っ込んで喋っているみたいな声が。


「シオン、ではなく、汐田、じゃないですか?」


私達は互いに顔を見合わせ、次に辺りをキョロキョロと見回した。


そこは変わらず何もない空間で、ただただ広がる白だった。

勿論私達以外には誰もいない。


「ここ、ここ。こっこでーす!」


妙に明るく軽いノリの声は――


信じられないことに、京極の手にしたペットボトルから聞こえてきていた。

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