みんなの冷蔵庫(仮)2
「これは仮の姿です。本当は私、めちゃくちゃイケメンなんで、目立っちゃうからナメクジっぽくしてます」

「ナメクジっぽいほうが目立つよな?」


自信満々に喋るナメクジと私を交互に見ながら、すかさず京極が言った。


「うん……デカイし、喋るし」


私も苦笑いを浮かべて頷いた。

イケメンて……

本当は人間てことだろうか。

ナメクジに変身してるってこと?

ナメクジが喋るのと、人間がナメクジに変身できるのと、どっちなら納得できるだろう。

――どっちも難しい。

今目の前に喋るナメクジがいるから、仕方なくこの状況を受け入れてるけど。

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