みんなの冷蔵庫(仮)2
「僕達はこの空間を仮に『冷蔵庫』だと呼んでいた」


京極もその場に腰を下ろす。

私達が向かい合って座る中心でやたらくねるナメクジを、二人でじっと見つめた。

ナメクジの話を、聞けば聞く程わからなくなる。


「ああ、冷蔵庫ってとてもいい例えですね」


ナメクジは揺れながら小さく笑い声をもらす。


「一番最初から全て話を聞くことはできないか? かい摘まんで説明を聞いても、余計混乱するだけなんだが」


京極はきちんと姿勢正しく正座をし、ナメクジと向き合った。

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