みんなの冷蔵庫(仮)2
「じゃ、まず汐田荘司くんとの出会いから」


ナメクジがそう言った瞬間、京極が息を飲む音がハッキリと聞こえた。


「ちょっと待て! 今なんて?!」


京極は片膝を立て、ナメクジに触れそうなほど顔を近付けた。


「シオタ、とは下の名前ではなく、苗字なのか? さんずいの汐に田んぼの田の、汐田?!」

「そそ、そうですよ。普通シオタて下の名前じゃないでしょうよ。塩に太郎の太で塩太とかかと思ったんですか?」


ぐいぐい顔を接近してくる京極を避けるためか、ブリッジさながらに体を後ろに反りながら、ナメクジが答えた。
< 334 / 354 >

この作品をシェア

pagetop